浅見定雄氏の批判
イザヤ14 :12の「明けの明星」を統一教会は「ルーシェル」と呼んでいるが、「ルーシェル」などという単語は世界中のどの言語にもない。統一教会だけの隠語である。これはたぶん、英語のLucifer(ルーシファ)の聞きちがいから生じたのである。ciを「シェ」などと発音するのも幼稚だし、fの音を落とすに至っては欧米語の音韻を知らない証拠だ(浅見定雄『原理講論の仮面を剥ぐ』16ページ)。
批判に対する回答
統一教会ではサタンのことを「ルーシェル」と呼んでいるが、これは英語のLucifer「ルーシファ」の韓国語なまりからきたものである。もともと英語の「ルーシファ」は、ラテン語の「ルキフェル」からきたものであり、これ自体もなまったものである。ちなみにドイツ語では「ルチフェル」となる。
もともと外国語の発音をその国の言葉で忠実に表現しようとすること自体不可能なことである。それを原音に忠実でないから〈幼稚〉だなどといって騒ぐこと自体きわめて幼稚だと言わざるをえない。
なお、『講論』の日本語訳は「ルーシェル」であるが、韓国語では「누시엘=ヌシエル」(韓国語では語頭にくるㄹ音〈R〉はㄴ音〈N〉に変わる)であり、英語訳は〈Lucifer〉、ドイツ語訳は〈Luzifer〉、イタリア語訳は〈Lucifero〉となっており、それぞれ、その国の言語の事情から一様ではない。したがって、浅見氏の言うように〈ルーシェル〉は統一教会だけの隠語だなどというようなものでも何でもない。(世界基督教統一神霊協会・神学問題研究会編『統一教会への教理批判に答える:浅見定雄氏に対する反論』より)