韓国における〝反″統一教会の第一人者による謝罪文

 統一教会に対する謝罪文   -卓 明煥-

 本人は多年の間、新興宗教問題研究所を運営してきながら、統一教会に対し、出版物(統一教、その実相)、スライド(これが統一教だ)、講演会、記者会見等を通して、統一教会が、非倫理的集団、政治集団、新型共産主義、邪教集団であると批判してきました。

 しかし、本人に批判の資料を提供した一部の統一教会離脱者たちが、最近、名誉棄損等、犯罪嫌疑で拘束起訴されたのを契機として、新しい角度から、広範囲な資料を収集、総合検討した結果、本人が統一教会に対し批判した内容中、事実でない部分があることを確認、次のように訂正釈明します。

 1、非倫理的な集団問題

 本人は、統一教会の創始者、文鮮明氏が一九五五年七月四日社会風紀紊乱嫌疑で、拘束起訴されたものと知って、統一教会を非倫理的、淫乱集団と断定、批判してきたところ、調査の結果、当時の事件は兵役法違反嫌疑で起訴されたが、同年十月四日宣告公判において無罪で釈放されたのを知るようになりました。

 これ以外、統一教会をめぐって、問題とされてきた淫乱集団うんぬんは、その根拠がないものと確認、ここに訂正します。

2、政治集団問題

本人は、この間、統一教会を政治集団と規定、批判してきたが、これは事実ではないことが明らかにされたので、ここに訂正します。

 3、新型共産主義の問題

 本人は統一教会を、新型共産主義集団であると批判してきたが、これは事実でなかったので、ここに釈明します。

 以上、三つの項目以外に、一部の統一教会離脱者たちが提供した資料に、多くの間違いがあり、本人が統一教会を否定的に批判することによって、統一教会に被害を与えてきたことに対して、深甚なる謝罪の意を表し、今後は再びこのようなことをしないことを確約いたします。

 ※この謝罪文は一九七九年九月十日付

朝鮮日報と韓国日報、

九月十一日付、ソウル新聞二只郷新聞、東亜日報、新亜日報に載せられている。

-以下、謝罪文についての報道紹介-

統一教会に謝罪する

『週刊宗教』一九七九年九月二十日付

 新興宗教問題研究所の所長卓明煥氏が、彼の今までの統一教会に対する批判内容が、事実と違うことを確認し、「このような誤りを犯したことに対して、統一教会側に謝罪する」と発表した。

 十日、十一日、国内七大日刊紙に発表した謝罪文を通して、卓明煥氏は、「多年の間、新興宗教問題研究所を運営してきながら、統一教会を『非倫理的集団』『新型共産主義』『政治集団』『邪教集団』であると批判したけれども、本人に批判の資料を提供した一部の統一教会離脱者たちが、名誉棄損等、犯罪行為で拘束起訴されたことを契機として、新しい角度から広範囲な資料を収集、検討した結果、本人の批判内容中、事実ではない部分があったことを確認し、訂正、釈明する」と語った。

 卓明煥氏は、自分の批判内容中、間違った部分を具体的に言及し、・非倫理的な集団、・政治集団、・新型共産主義の邪教集団うんぬんの批判が、根本的に誤りであったことを是認した。

 特に卓氏は、彼が批判した統一教会の非倫理的集団うんぬんに対して、「本人は統一教会の創始者文鮮明氏が、一九五五年七月四日、社会風紀紊乱嫌疑で、拘束起訴されたものと知って、統一教会を非倫理的淫乱集団と断定、批判してきたところ、調査の結果、当時の事件は兵役法違反嫌疑で起訴されたが、同年十月四日、宣告公判において無罪で釈放されたことを知るようになり、それ以外に、統一教会をめぐって、問題とされてきた淫乱集団うんぬんは、その根拠がないものと確認、ここに訂正します」と明らかにした。

 卓明煥氏はまた、「以上三つの項目以外に、一部の統一教会離脱者たちが提供した間違った資料により、本人が統一教会を否定的に批判することによって統一教会に被害を与えたことに対して、謝罪の意を表して、再びこのようなことをしないことを確約します」と明らかにした。

 経緯

 統一教会はこの間、あらゆる批判勢力に対して、一貫して沈黙する政策をとってきた。その代わり、統一教会に対する「淫乱集団≒政治集団」「邪教集団」「異端」「新型共産主義」などとの批判には、学界と宗教界教役者を対象として、統一原理公聴会を開き、教団認識を新しくしたり、国際的な勝共運動と夏期と冬期を利用した大々的な伝道活動で応戦してきた。しかし、度を越した批判に対して「統一教会側か沈黙で一貫するのは、その事実を是認するものではないか」という外部の誤解を買うことになったり、また教会内でも前線牧会者たちが、伝道に甚大な支障をきたしているので、一日も早く汚名をすすがなければならないという要求が、嵐のごとく起こり、ある対策を講じなければならないと、重大決断を下すようになったという。

 このような状況において卓明煥氏は、最近『統一教、その実相』という本を発刊した。本の内容は相変わらず統一教会に対する事実歪曲、針小棒大等で、誤りが多く、教会全体はもちろん、現存する統一教会関係人の名誉を毀損していて、統一教会側は次第に白黒(善悪)をつけるつもりで、反証に必要な資料を収集、これに立脚して名誉毀損で提訴する方針を固めるや、卓氏が謝罪文を出すことになったというのである。

 卓明煥氏はその間、統一教会に関して出版物、スライド、講演会、記者会見等、機会あるごとに辛辣に批判してきた。しかし、彼は十余年間新興宗教を研究して、それなりにこの道の権威者として認定を受ける立場に立ち、宗教研究が単なる風土にだけ迎合する偏向的なことと、歪曲された先入観や逆技能面を取り扱うことが全部ではないという学者的良心に促され心的変化をもたらしたようだ。それで従来の研究姿勢を是正しようとしたところ彼に資料を提供してくれた人たちの拘束を契機として全面再検討した結果、今まで自分の統一教会に対する研究発表が間違っていたことを発見するようになったものと、解釈できる。

破廉恥な卓明炊氏

『週刊宗教』一九八〇年一月十六日付

 国際宗教問題研究所の卓明煥所長が、その間新興宗教問題研究所という看板をもって、既成教会と新興宗教を二重に欺瞞し、いろいろの手法で破廉恥な行為を業としてきた行跡が暴かれ、教界を驚かしている。

 このような事実は、卓氏が七九年九月、統一教会に『謝罪文』を発表して以来、最近再び謝罪文発表以前と同じ内容の誹謗行脚を開始することによって、統一教会側から、その間隠しておいた謝罪文発表前後の事情を明白にされることによって、暴かれた。

 統一教会の一関係者朴吉年氏によれば、最近卓氏が『統一教会の実像と虚像』という本の発刊と雑誌投稿、集会講演で一方的な誹謗を業としていることに対して「その間卓氏の過ちを悔い改めて善くなることだけを待っていたが、少しの反省もなく教界を愚弄する処事を継続していて、これ以上韓国教界が彼の二律背反的行為に眩惑されることを防ぐために、やむを得ず全貌を明白にするほかない」とその経緯を語った。

 彼によれば、去る七六年三月ごろ、急に卓氏から電話で会おうと提議したのち△この間統一教会に対して故意に非難謀略をし、済まない。これからは中傷謀略、人身攻撃はしない。そして、新興宗教より既成宗教に問題がもっと多い。△これから先、既成教会の復興会、修道院、神学校等を本格的に批判しなければならないが、その場合、既成教会で問題が生じるようなので、統一教会で生計を保障してくれと要請してきたというもの。

 そこで統一教会側では△統一教会の健全な批判は歓迎する。批判を受けてこそ成長するものではないか。

 △既成教会に対する批判も建設的で、肯定的な批判にとどまれ。また生計費を保障することはできない。貴下の新興宗教問題研究所を、国際宗教問題研究所に変えて、韓国教界全体の発展とキリスト教の連合に寄与することのできる学問的研究をするならば、研究費は支援する用意があると答え、統一教会のこの条件を卓氏が受け入れ、七六年七月二十三日午後四時、ソウル西部駅の裹、中林洞所在、国一飯店で、卓氏と彼と一緒に仕事をするK某氏、統一教会側二名が同席する場で、卓氏の要求どおり月三十万ウォンずつの一年分研究費三〇〇万ウォンを支給したということである。

 しかし、卓氏は統一教会に対して悪意的非難を継続するだけでなく、看板も変えないで批判冊子をつくる等、数多い欺瞞行為を継続したので、七九年九月統一教会側から最後の対策として、卓氏の言行と冊子を集め、詐欺および名誉毀損で告訴する方針を固めるや、この事実を知った卓氏が△告訴はいつでもすることができるではないか、贖罪する意味で謝罪文を出す。△謝罪文を出したあとでも、私の態度が変わらなかったら、いつ告訴してくれても受けるつもりだといいながら、自筆で覚書と謝罪文を書いて統一教会側に渡したというのである。

 ところで、当時卓氏は国内各新聞紙面を通じて、謝罪文に、「多年の間、統一教会を批判してきた内容が事実と違い、本人の批判で統一教会に被害を与えたことに対して、深甚な謝意を表し、今後、再びこういうことがないことを確約する」と明白にした。

 卓氏は、この謝罪文でまた、謝罪文発表の動機を「本人に統一教会の資料を提供してきた人たちが、名誉毀損等、犯罪嫌疑で拘束起訴されたことを契機として、広範囲な資料を再び入手、総合分析した結果、本人の批判に間違った部分を発見するようになった」と語った。

 自筆で謝罪文を書いた卓氏は、その後「強制されて本人の意志に反して書いた」と主張し、それに対して統一教会側は「平素遺言状を携帯し、京郷(首都と地方)各地を回りながら、命を賭けて統一教会批判運動をするという彼が、強制されて謝罪文を書いたと弁明することは自家撞着」であると主張している。